柔術のタップのやり方|白帯が怪我をしないための早めのタップと伝え方

この記事の結論

  • タップは「参った」の合図です。負けを認める行為ではなく、怪我をせずに練習を続けるための大事な技術です
  • 相手の体かマットを、相手に伝わる強さで2〜3回はっきり叩きます。手が使えないときは声で「タップ」「参った」と伝えます
  • 白帯のうちは「痛くなる前」「逃げられないと分かった時点」でタップしてOK。早すぎるタップで困る人はいません

タップは「負け」ではなく「技術」

柔術では、関節技や絞め技が極まったとき、相手の体やマットを手で叩いて「参った」を伝えます。これが「タップ」です。タップをすると、相手はすぐに技を緩めます。

始めたばかりの白帯は、タップを「負けを認めること」だと感じて、ついぎりぎりまで我慢してしまいがちです。ですが、練習で大切なのは勝ち負けよりも、怪我をせずに長く続けることです。関節や首を痛めてしまうと、しばらく練習を休むことになりかねません。

帯上の人たちも、練習では普通にたくさんタップしています。タップは、柔術を続けるうえで最初に身につけたい「技術」の一つだと考えてください。

正しいタップのやり方

基本は「手で2〜3回、はっきり叩く」

タップの基本は、手のひらで相手の体を軽く叩くことです。相手の体に手が届かないときは、マットを叩いてもかまいません。

柔術用マットを開いた手のひらで叩く手元のアップ

  • 開いた手のひらで、相手の体かマットを叩く
  • 1回だけでなく、2〜3回続けて叩く
  • 相手が気づく強さで、はっきり叩く

弱く1回だけ触れると、相手が気づかないことがあります。特に相手が技に集中しているときは、こちらの小さな動きに気づきにくいものです。「相手に伝わってはじめてタップ」と覚えておきましょう。

相手の体を叩くほうが伝わりやすい

マットを叩く音は、周りが騒がしい道場では聞こえにくいことがあります。手が届くなら、相手の体(背中、脚、腕など)を叩くほうが確実に伝わります。

手が使えないときは「声」で伝える

腕を両方とも抱えられているときなど、手でタップできない場面もあります。そのときは迷わず声で「タップ」「参った」とはっきり伝えましょう。足でマットを叩いて合図することもありますが、声のほうが確実です。

POINT

タップは「伝わること」がすべてです。手で2〜3回はっきり叩く。手が使えなければ声で伝える。相手が気づいていないと感じたら、もっと強く、もっと大きな声で伝えてください。遠慮する必要はありません。

いつタップすればいい?

白帯は「痛くなる前」でいい

白帯のうちは、次のどれかに当てはまったらタップしてかまいません。

  • 関節に「これ以上は曲がらない」という張りを感じた
  • 首や喉が圧迫されて、苦しくなってきた
  • 技の形に入ってしまい、自分では逃げられないと分かった

「まだ逃げられるかも」と粘りたくなる気持ちは分かります。でも、関節技は一瞬で痛める危険があります。特に、技の仕組みがまだよく分からない白帯は、どこまでが安全なのかの判断が難しいものです。迷ったらタップ、で問題ありません。

部位ごとの注意点

技の種類 狙われる部位 白帯の目安
腕の関節技(腕十字・アームロックなど) 肘・肩 関節に張りを感じた時点でタップ
絞め技(三角絞め・送り襟絞めなど) 首 苦しくなる前、形に入ったと分かった時点でタップ
足の関節技 膝・足首 痛みを感じにくいまま痛めることがあるので、特に早めにタップ
首や背骨にかかる形 首・背中 無理に耐えず、すぐにタップ

絞め技は、我慢していると意識を失う(いわゆる「落ちる」)ことがあります。足の関節技は、痛みを感じたときにはすでに危ない場合があると言われます。どちらも、我慢する理由はありません。

白帯がやりがちなタップの失敗

意地を張ってタップしない

一番多いのがこれです。「まだいける」と我慢した結果、肘や肩を痛めてしまう。白帯のスパーで起きる怪我には、このパターンが少なくありません。練習で負けても、何も失いません。

タップが小さくて伝わらない

指先で軽く1回触れただけでは、相手は気づかないことがあります。相手が技を緩めなければ、すぐにもう一度、強くはっきり叩きましょう。

タップした後に急に動く

タップした直後に、焦って体をひねったり腕を引き抜こうとしたりすると、かえって痛めることがあります。タップしたら、相手が技を緩めるのを待ってから、ゆっくり体を戻しましょう。

極める側のマナー

自分が技をかける側になったときのマナーも、タップとセットで覚えておきたいことです。

  • ゆっくり極める。勢いよく一気に力を入れず、相手がタップできる時間を残す
  • タップを感じたらすぐ離す。手で叩かれた、声が聞こえた、と思ったら迷わず緩める
  • タップか分からないときも緩める。「今のタップ?」と迷ったら、いったん離して確認する
  • 形に入ったら無理に力を足さない。相手が逃げられない形に入れば、それ以上強く極める必要はない

白帯同士のスパーは、お互いに力の加減が分からず、怪我が起きやすいと言われます。相手を痛めないことも、強くなることと同じくらい大切な技術です。

試合でのタップ

試合でも、タップは同じように手で叩くか、声で伝えます。タップをすると審判が試合を止め、その時点で勝敗が決まります。審判が気づかない場合もあるので、試合でも相手の体をはっきり叩く、声も出す、を意識しましょう。

試合では、帯ごとに使ってよい技が決められています。白帯で禁止されている技もあるため、出場する大会のルールは必ず確認してください。初めての大会については白帯で試合に出るべき?初めての大会エントリー完全ガイドでまとめています。

痛めたかなと思ったら

タップが間に合わず関節や首に違和感が残ったときは、その日のスパーは無理をせずに休みましょう。

練習の合間にマットの端に座り、肩を回して体の状態を確かめる白帯

  • 違和感がある部位は、その日はそれ以上使わない
  • 先生や周りの人に「ちょっと痛めたかもしれません」と伝える
  • 腫れや痛みが続く場合、しびれがある場合は、医療機関を受診する

「これくらい大丈夫」と練習を続けてしまうと、長引く原因になります。早めに休むことも、柔術を長く続けるための技術です。

まとめ——早めのタップが、いちばん長く続けるコツ

  • タップは負けではなく、怪我を防ぐための技術
  • 手で2〜3回、はっきり叩く。手が使えなければ声で伝える
  • 白帯は「痛くなる前」「逃げられないと分かった時点」でタップしてOK
  • 足の関節技や絞め技は、特に我慢しない
  • 極める側は、ゆっくり極めて、タップを感じたらすぐ離す

次の練習で極められそうになったら、「ここでタップしていい」と思い出してください。早めにタップした分だけ、次のスパーにも、来週の練習にも元気に出られます。

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