柔術の基本ポジション7つ|白帯が最初に覚える名前と有利・不利の順番

この記事の結論

  • 柔術のスパーは「ポジション」の取り合いです。名前と有利・不利の順番を知るだけで、練習の説明がぐっと分かりやすくなります
  • 白帯がまず覚えたいのは、マウント・バック・サイド・ニーオンベリー・ハーフガード・ガード・亀の7つです
  • 有利なのは「上」で「相手の脚の外」にいるほう。下になったら、まずガードに戻すことを目標にしましょう

先輩の言葉が呪文に聞こえる問題

柔術を始めてすぐの頃、先生や先輩の説明で「サイドからマウントに移って」「ハーフで潰されたら」「バック取られたら」と言われても、何のことか分からず固まってしまった経験はないでしょうか。白帯あるあるの一つです。

柔術のスパーは、ざっくり言えば「より良いポジションを取り合う」競技です。関節技や絞め技も、多くは有利なポジションを取ってから狙います。だからこそ、最初に覚えるべきなのは技の細かい手順よりも、ポジションの名前と、どちらが有利かという順番です。

この記事では、白帯が最初に覚えたい基本ポジション7つを、有利・不利の順番と一緒に整理します。道場によって呼び方が少し違うこともありますが、ここでは日本の道場でよく使われる呼び方で紹介します。

まず押さえたい「ポジションの考え方」

個々のポジションを覚える前に、全体の考え方を2つだけ押さえておきましょう。

1. 基本は「上」が有利

柔術では、相手を押さえ込んでいる上の人のほうが有利になる場面がほとんどです。上の人は体重を使えますが、下の人は体重を乗せられ、逃げるのに体力を使います。

2. 下にいても「脚が間にある」なら戦える

柔術が他の格闘技と違うのは、下からでも戦えることです。自分の脚が相手との間に入っている状態を「ガード」と呼び、ガードがあれば下からでも攻めたり、ひっくり返したりできます。逆に、相手に脚を越えられる(パスされる)と、一気に不利になります。

つまり、「上か下か」と「脚の内側か外側か」の2つで、だいたいの有利・不利が決まります。

白帯が覚えたい基本ポジション7つ

ここからは、上が有利な順に紹介します。

1. バック(バックコントロール)

相手の背中側にくっつき、両脚のかかとを相手の太ももの内側に引っかけて(フック)コントロールする形です。相手からはこちらが見えず、首を狙われやすいため、取られた側にとって最も危険なポジションの一つとされています。

バックを取られたら、まず両手で首を守り、相手のフックを外すことを考えます。

2. マウント

仰向けの相手のお腹や胸の上に、馬乗りになった形です。上の人は体重をかけながら腕や首を狙えます。下の人は脚を使えず、逃げるにはブリッジやエビで相手のバランスを崩す必要があります。

マウントからの逃げ方の基本は、白帯が最初に覚えるべきエスケープ3選で解説しています。

3. ニーオンベリー

相手のお腹や胸に片膝を乗せ、もう片方の脚は立てたまま上から押さえる形です。上の人は動きやすく、マウントやバックに移りやすいのが特徴です。下の人は膝の圧力でかなり苦しくなります。

4. サイド(サイドコントロール)

相手の脚を越えて、横から胸と胸を合わせるように押さえ込んだ形です。柔道の「横四方固め」に近いイメージです。白帯のスパーでは、この形で下になっている時間が一番長いかもしれません。

下になったら、肘を脇につけて首と腕を守り、フレームで空間を作ってからエビでガードに戻すのが基本です。

5. ハーフガード

下の人が、相手の片脚だけを自分の両脚で挟んでいる形です。上の人から見ると「パスまであと一歩」、下の人から見ると「まだガードが残っている」状態です。下の人が横向きになって相手の脚に潜るように戦う形もあり、白帯がよく使うポジションの一つです。

6. ガード

下の人が、自分の脚を相手との間に入れて守っている形です。代表的なものに、両脚で相手の胴を挟んで足首を組む「クローズドガード」と、足を組まずに足裏や膝で相手をコントロールする「オープンガード」があります。

マットに仰向けになり、膝を曲げて足を上げたガードの構えをとる白帯

ガードは「下だけど不利ではない」ポジションです。ここから相手をひっくり返す(スイープ)か、関節技や絞め技を狙います。上の人はガードを越える(パスする)ことを目指します。

7. 亀(タートル)

四つんばいになり、肘と膝を締めて体を丸めた形です。押さえ込まれるのを避けるために一時的に使いますが、背中が相手に向いているので、そのままだとバックを取られやすくなります。

マットの上で四つんばいになり、肘と膝を締めて亀の姿勢をとる白帯

亀になったら、そこで止まらず、ガードに戻すか立ち上がるのが基本です。

有利・不利を一覧で見る

7つのポジションを、上の人から見た有利さの順にまとめると次のとおりです。順番は目安で、細かい形や状況によって変わります。

ポジション 上(攻める側)の目標 下(守る側)がまずやること
バック 首を狙う・コントロールを保つ 両手で首を守る、フックを外す
マウント 腕や首を狙う・バックに移る 肘を締める、ブリッジ・エビで崩す
ニーオンベリー マウントやバックに移る 膝を押して空間を作る
サイド マウントやニーオンベリーに移る 首と腕を守り、フレームとエビでガードに戻す
ハーフガード 挟まれた脚を抜いてパスする 横向きで潜る、ガードに戻す
ガード 脚を越えてパスする スイープや関節技・絞め技を狙う
亀 バックを取る ガードに戻す、立ち上がる

下になったときの目標は、「1つでも上の行から下の行へ戻すこと」と考えると分かりやすくなります。サイドで押さえ込まれたら、ハーフガードかガードに戻せれば十分な前進です。

POINT

白帯のうちは「今、自分はどのポジションにいるか」が分かるだけで大きな進歩です。スパーの後に「今日はサイドで下になる時間が長かった」と言えるようになれば、次に何を練習すればいいかが見えてきます。

試合のポイントとの関係

ポジションの有利・不利は、試合のポイントにもそのまま反映されています。IBJJF(国際ブラジリアン柔術連盟)のルールでは、主に次の動きにポイントがつきます。

動き ポイント
テイクダウン(立った状態から倒す) 2点
スイープ(ガードから上下を入れ替える) 2点
ニーオンベリー 2点
パスガード(ガードを越えてサイドなどに移る) 3点
マウント 4点
バックコントロール 4点

ポイントは、その形を一定時間(3秒)保つことで認められます。マウントとバックの点数が最も高いのは、それだけ有利な形だからです。大会によって独自のルールを使う場合もあるので、出場するときは必ず大会の要項を確認しましょう。初めての大会については白帯で試合に出るべき?初めての大会エントリー完全ガイドにまとめています。

名前を覚えるコツ

7つと言っても、一度に全部覚える必要はありません。次のような順番で覚えていくと、練習の中で自然に定着していきます。

  1. まず「ガード」「サイド」「マウント」の3つ。白帯のスパーで一番よく出てくる形です
  2. 次に「バック」と「亀」。亀になるとバックを取られる、という流れをセットで覚えます
  3. 最後に「ハーフガード」と「ニーオンベリー」。ガードとサイドの中間の形として覚えると分かりやすくなります

練習中に分からない言葉が出てきたら、その場で先生や先輩に「今の形は何て呼ぶんですか?」と聞いてしまうのが一番の近道です。白帯からの質問を嫌がる人はほとんどいません。練習後にノートやアプリにメモしておくと、次の練習で思い出しやすくなります。

まとめ——「今どこにいるか」が分かれば練習が変わる

柔術の基本ポジションは、最初は呪文のように聞こえますが、考え方はシンプルです。

  • 基本は「上」が有利。下でも「脚が間にあればガード」で戦える
  • 有利な順に、バック・マウント・ニーオンベリー・サイド・ハーフガード・ガード・亀
  • 下になったら、1つでも有利な形へ戻すことを目標にする
  • 試合のポイントも、有利なポジションほど高い

まずは次の練習で、スパー中に「今はサイドの下だ」「ガードに戻せた」と心の中で実況してみてください。自分の位置が分かるだけで、先生の説明がぐっと頭に入ってくるはずです。

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